屋根・外壁塗装で使用する塗料は、色だけでなく【艶】にも違いがあります。艶には艶有り、艶無しの他に、7分艶、5分艶(半艶)、3分艶といった種類があり、それぞれ特性が耐久性に影響を与えます。今回は、艶の有無による耐久性の違いとその理由について詳しくお伝えします。
艶有り・艶消し塗料の特性と耐久性
一般的に、艶有り塗料は艶無し塗料に比べて耐久性が高いとされています。この理由は、艶消し塗料の製造過程にあります。艶無し塗料は、元々艶のある塗料に「艶消し剤」を混ぜることで作られます。この艶消し剤は、表面に微細な凹凸を形成し、光を乱反射させることで艶を抑える役割を果たします。
艶消し塗料:耐久性の低下
艶消し剤を混ぜることで艶が消える一方、塗料の耐久性が低下することがあります。塗料には元々耐久性がありますが、艶を消すために添加される艶消し剤によって全体的な耐久性が損なわれてしまうのです。
艶有り塗料:汚れの付着しにくさ
艶があると、表面が滑らかになります。滑らかな表面は、砂やほこり、排気ガスなどの物質が付着しにくく、結果として汚れがたまりにくくなります。常に汚れが付着していると、湿気も付着し、これが塗膜を劣化させる原因となります。したがって、表面が滑らかであれば、汚れがたまりにくくなり、塗膜の寿命が延びるのです。
艶有りと艶無しの特徴比較
以下に、艶有り塗料と艶無し塗料の特徴を比較してみます。
艶有り塗料
耐用年数: 艶消しに比べてやや高い
汚れやすさ: 汚れがつきにくく、目立ちにくい
変化の度合い: 艶は数年で徐々に失われる
艶無し塗料
耐用年数: 艶有り塗料に比べてやや短め
汚れやすさ: 表面に凹凸があり、汚れが付着しやすい
高級感: シンプルで自然な仕上がりが魅力
塗料選びのポイント
塗装工事において、色の選び方と同様に艶の有無も大事です。それぞれの艶の特性を理解し、目的に応じて選びましょう。
艶消し塗料: ナチュラルな落ち着いた雰囲気を優先したい場合におすすめです。
艶有り塗料: 耐久性や汚れにくさを重視したい方におすすめです。
中間的な選択肢: 汚れやすさや見た目のどちらも考慮したい場合は、5分艶・3分艶などを検討してみるのも良いでしょう。
まとめ
塗料の艶有りと艶無しの選択は、見た目の好みや使用環境を考慮して行うと良いでしょう。艶の有無による耐久性の違いを理解することで、より満足のいく塗料選びが可能になります。塗装工事を成功させるために、艶の特性をしっかりと把握し、適切な選択を心がけましょう。